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「AIデータ分析プロジェクトを成功させるための業務知識の重要性」AI導入がPoC倒れに終わらないために - Natic | Creating the Future with Applications – 双日テックイノベーション

「AIデータ分析プロジェクトを成功させるための業務知識の重要性」AI導入がPoC倒れに終わらないために

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本記事で紹介したいこと:

企業の約4割がAIデータ分析の導入を検討しているものの、実際にAIデータ分析の実用化を達成できた企業は、全体の1割程度と言われています。何故、AIデータ分析プロジェクトがPoC倒れに終わってしまうのか、いくつかの想定される原因をご紹介します。

目次  Table of Contents

  1. 業務知識不足により発生する課題
  2. 課題の解決策
  3. 課題解決に必要なプロジェクトメンバーとスキル
  4. AIデータ分析プロジェクトのステージとフェーズ
  5. AIデータ分析プロジェクトの流れ
  6. まとめ
  7. RapidMinerの紹介

1. AIデータ分析の業務知識不足により発生する課題

昨今のオープンデータの利用促進、Deep Learningの登場、計算機能力の向上により、第3次AIブームが到来しました。企業でAIデータ分析をビジネスに活用することが現実的となっています。しかし、企業の約4割がAIデータ分析の導入を検討しているものの、実際にAIデータ分析の実用化を達成できた企業は、全体の1割程度と言われています。一部の成功の裏で多くの企業がPoC(Proof of Concept、概念実証)倒れに終わっていると考えられます。では、何故、AIデータ分析プロジェクトがPoC倒れに終わってしまうのでしょうか。いくつかの想定される原因をご紹介します。

  • 業務課題を洗い出してAIを活用できるテーマを選定できない
  • 機械学習モデルの精度で業務上のKPIを達成できるかを判断ができない
  • 機械学習モデルを使った業務システムが安定稼働できるかを判断できない

 

2. PoC倒れで終わらせないための課題の解決策

AIデータ分析プロジェクトをPoC倒れで終わらせないためには、「業務知識」が必要です。業務課題を認識し、どう改善するか、AI活用のポイントなどの現場視点が必要です。ただし、業務知識を持った現場の担当者がAIデータ分析プロジェクトに参加するだけでは不十分で、次のような解決策が必要です。

  • 現場の担当者が業務課題の洗い出しを行い、データの専門家がAIを活用するために必要となるデータを検証した上で、実現可能性のあるテーマを選定する
  • 現場の担当者と機械学習の専門家によってモデルの精度、それにより影響される業務上のKPIを判断する
  • 現場の担当者、機械学習の専門家、インフラ担当者によって業務システムが安定稼働できるか、目標とおりの業務効率化が達成できるかを判断する

 

3. AI機械学習プロジェクトを進めるために必要なプロジェクトメンバーとスキル

業務課題からテーマを選定し、プロジェクトの推進とビジネスに適用するかの判断ができるのは人間だけです。

AI機械学習プロジェクトを進めるために必要なメンバーとスキルについて説明します。

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4. AIデータ分析プロジェクトのステージとフェーズ

プロジェクトは、3つのステージと9つのフェーズから構成されます。

ステージ フェーズ 内容
業務課題の

洗い出しと

テーマ選定

業務課の題洗い出し 業務課題を洗い出し、個々の課題がAIを活用して解決すべきかを検討する。従来システムやルールベースのアプローチとROI(費用対効果)などの比較を行う。
テーマ選定 AIによる解決が適していると判断された課題についてROIや社内インパクトから優先順位に従ってテーマ選定を行う。
データ収集・調査 選定されたテーマに関連したデータの所在、品質、アクセス可否などを調査する。

各データの収集、加工、配布の方法について、その実現可能性を検証する。

モデルの

作成と評価

 

データ前処理 機械学習モデルの作成に利用しやすいようにデータの前処理(加工)を行う。
モデル作成 予測や分類などの目的に適したアルゴリズムを選択して機械学習モデルを作成する。
モデル評価 作成した機械学習モデルの精度が、予め決めた基準をクリアしているかを確認する。
モデルの

運用

システム環境構築 業務システムと機械学習モデルが連携して稼働できるシステム環境を構築する。
暫定稼働(並行稼働) 既存の業務プロセスと機械学習モデルを利用した業務プロセスの並行稼働を実施する。

業務のスループット、正確性、省力化(人的リソース)などを比較する。

本番稼働 機械学習モデルを利活用した業務システムを本番稼働させる。

 

5. AIデータ分析プロジェクトの流れ

下の図は、3つのステージと9つのフェーズ、プロジェクトの進行を左右する判定内容、そして、各判定に関係するメンバーと業務知識を保有する度合いを表しています。

  • モデル作成実施判定

ビジネスユーザー、データエンジニア、データサイエンティストが協働して意思決定を行う、課題からAIが活用できるテーマを選定するという業務担当者の視点、データを統合、管理するというデータ管理者の視点、機械学習モデル作成に必要なデータが確保できるかというデータ分析者の視点が必要

  • モデル精度判定

データサイエンティスト、ビジネスユーザーが協働して意思決定を行う、作成した機械学習モデルの精度が十分かというデータ分析者の視点、機械学習モデルの精度によって目標のKPIが達成できるかという業務担当者の視点が必要

  • 本番稼働判定

インフラエンジニア、データサイエンティスト、ビジネスユーザーが協働して意思決定を行う、機械学習モデルと連携した業務システムが安定稼働できるかという運用担当者の視点、継続的に機械学習モデルの精度を維持できるかというデータ分析者の視点、目標の業務効率が得られるかという業務担当者の視点が必要

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6. まとめ

「自分たちもAIを導入して業務を効率化したい」という思いから、元々AIに向かない業務を対象としたことで、PoC倒れで終るケースが多いとされています。最初のステージで各分野の専門家の知見を活用して、業務課題、テーマの選定、AIに向いているかなどを見極めないとプロジェクトを成功に導けません。

次のステージやフェーズに進むタイミングで、ビジネスユーザー、データエンジニア、データサイエンティスト、インフラエンジニアが協働して意思決定を行うことにより、AIデータ分析プロジェクトのPoC倒れを抑止できる可能性があります。


本記事は、日商エレクトロニクス株式会社アプリケーション事業本部アプリケーション事業推進部ビジネスデザイン課によるオリジナル考察です。

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2021年8月23日