商社ERPトレンド紹介 第36回「【物流混乱と在庫管理】「紅海問題」や円安で物流網が揺れる中、ERPが果たす在庫最適化の役割とは」 

こんにちは、穂苅智哉と申します。 

コロナウイルスの混乱が昔のように思えてきた2025年、国際社会のダイナミックな変化は次々と発生しています。その中の1つとして、国際物流に影響があるのが「紅海問題」です。 

今回は、この「紅海問題」と企業の在庫管理、ERPについて取り上げていきます。 

紅海問題とは? 物流の混乱が「在庫の見直し」を迫っている 

「紅海問題」というのは、2023年後半から深刻化したフーシ派による紅海・アデン湾での商船攻撃に端を発した問題です。この航路は、世界貿易の大動脈であるスエズ運河周辺にあたり世界貿易の約12%が通過する場所です。そのため、世界の物流と世界経済には大きな影響がでています。 

フーシ派が商船を攻撃することで、船舶が被害を受けるため輸送コストが上がります。また、多くの海運会社が紅海ルートを避けますので、喜望峰を迂回するルートを取らざるを得なくなっていることから、輸送日数が延びてその分コストも増加しています。 

フーシ派のこの行動は、イスラエルのガザ攻撃への抗議と連帯を示すものだと言われています。 

この「紅海問題」は当然、日本にも大きなマイナスの影響を及ぼしています。 

輸送コストの増加や輸送日数の増加はもちろんのこと、円安の影響もあるため、関連する企業も対応を迫られています。 

そこで多くの企業は「適正在庫」の概念を再定義せざるを得なくなりました。不確実な世界情勢の中では、ある程度の余裕を持った在庫が適正と定義される状況が認知されてきていますが、在庫があればいいということでもないため、しっかりとデータをもとに分析をして会社としての最適なシナリオを作っていくことが重要です。 

ERPが担う在庫最適化の役割とは 

従来のERP(Enterprise Resource Planning)システムは、こうした複雑な状況下での在庫管理の最適化に重要な役割を果たします。というのも、今までのERPシステムが「統合管理・可視化」をメインにしていたのに対し、今後のERPシステムでは「予測・最適化」がメインになっていくからです。 

AIを使うと分かりやすいですが、様々な条件での需要予測とそれを踏まえたプランの提示をすることで、不確実な世の中でも企業として何をすべきかがわかります。例えば、「紅海問題」のような国際的なリスクが発生した場合に、影響を受けるであろう調達品をすぐに特定し、代替調達先や輸送ルートの選択肢を提示することもできるでしょう。また、為替も同様で円安が一定のレベルを超えた場合の仕入れ戦略の変更も迅速に打ち手を取ることができるようになります。 

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